単純にビジネス英語を解明!

かくして、外資系企業のアジア本部は、シンガポール、香港、上海へと移ってしまう。 ヒトもカネも物流も、日本の東京には集中しないというのが、いまの現実なのである。
経済活動のすべてが、ハードからソフトへの転換に成功していない。 それが日本経済全体の停滞を生んでいるといってよいのではないか。
バブルの時代には、たしかに土地の価格は上がりすぎた。 だが、いまのような低水準の地価が続くことは、いわゆる「集積の利益」が東京から失われてしまったことを意味する。
そのように考えれば、金融機関に六〇兆円注ぎ込もうとなにをしようと、土地価格が下がっているかぎり、資産デフレは終わるはずがない。 土地の価値(価格ではない)を上げるにはどうしたらいいか。
それには、インフラの整備による「都市の再生」以外にないのである。 したがって、公共投資は都市再生のために集中的に行う必要がある。
都市住民の生活の質を徹底して改善する策が求められよう。 そうすれば、さまざまなクリエイティブな動きが出多様な人々、多様な民族の知的集合体としての東京をつくることこそ、二一世紀の日本経済を復活させるための基本である。
都市と農村の対立などという構図で受け止めるべきではない。 そんな国内的対立のレベルを超え、国際的次元で日本経済が生きのびるためには、東京を強くすることが決定的に必要なのだという観点をもつべきである。
これまでの政治や行政は、その点をまったく理解していなかった。 東京への一極集中の是正を大義名分として、東京で集めた税金を地方で使うのが公平公正な政治だという錯覚がまかりとおっていたのである。

この錯覚が、いかに日本全体の体力を失わせてきたことか。 東京を再生し、都市を再生することで、日本経済と日本社会の活力を全体的に底上げし、蘇らせようという考え方に転換すべきだろう。
豊かな都市があってこそ、豊かな農村がある。 都市にとって、農村は敵対的なものではない。
豊かな森とそこから湧き出る水があって都市の水道が確保される。 食卓を飾る世界一良質の食料品も提供される。
日本の都市の消費者は、国際的に見ても最も品質志向型なのである。 では、東京の再生のためになにをすべきか。
重ねていうが、都市の再生なくして日本経済の再生はない。 思い切った都市政策の展開が急務なのである。
それこそが、二〇世紀末を生きるわれわれの、二一世紀に向けた最大の責任といえる。 重要なポイントは「土地政策」であろう。

政府は、金融再生のために六〇兆円、中小企業への貸し渋り対策に四〇兆円を用意した。 いたら、とんでもないことになる。
手術がはじまり、それが成功したら、いまの不良債権の担保になっている土地が大量に市場へ放出される。 塩漬けになっていた不動産がいっせいに出できたらどうなるか。
不良債権の総額は一〇〇兆円、それに対する担保は四〇兆円ともいわれている。 誰も計算した人はいないからはっきりしないが、少なくとも、地価が下落している以上、金融機関の担保のなかで土地・不動産の割合はどんどん下がることになる。
不良債権の裏づけとなっている土地が売り出されたら、いったい誰が買うのか、今年(一九九九年)は不良債権処理の年といっていい。 金融機関からはき出される不良債権がらみの土地・不動産の買い手を考えずに金融手術をやれば、土地は供給過剰になる。
下がるおそれが大きい。 地価が下がれば、企業の含み資産も下がり、株価も下がる。
依然として日本は資産デフレの悪循環から抜け出していないと判断している。 金融機関の再編が進めば、それを加速させるおそれさえあると思っている。
一九九九年の経済のポイントはそこにある。 財政支出でやるべきことはやった。
それが循環するかしないかは、資産デフレにストップをかけられるかどうかにかかっている。 住宅・都市整備公団に三〇〇〇億円の予算がついた。
私はヒト桁違うのではないかと三兆円を主張した。 建設省は平成一0年度第三次補正予算で一五〇〇億円を追加するとしていたが、大蔵省はなんとゼロ査定だった。

民間都市開発推進機構(民都機構)にも一兆五〇〇〇億円が用意されているが、私としては、最低六兆円は必要だと考えている。 そのような莫大な金をどうするかといえば、いまは低未利用地になっている大都市部の土地を買うために使うのである。
購入した土地には付加価値をつけて市場に供する。 なまとまった土地を迅速に取得していけば、土地の値段は下げ止まり、横ばいになっていく。
そうすれば、九兆円の減税が消費需要を喚起していくはずである。 そこで、私は自民党の都市問題対策協議会で二〇兆円の公共用地先行取得基金の創設を提言したが、いまだにその必要性・緊急性は十分に理解されていない。
東京ですでに都市計画決定をしている基幹道路を拡幅するだけでも、二三区内でおよそ六兆円が必要とされる。 三大都市圏では二〇兆円くらいはかかることになるだろう。
これらは、東京などの大都市で基幹的な放射道路と環状道路を整備し、パリやロンドン、ニューヨークのような街をつくるためには絶対に必要な資金なのである。 一般の建設国債や赤字国債とは別に、固有地を担保にした「固有地担保国債」を発行して資金をつくればよい。
詳しくは本文にゆずるが、こうした手法による公共用地の先行取得こそが、資産デフレの悪10循環を断ち切る最後の手段ではないかと思う。 過疎地に道路や橋をつくる旧来型の公共投資は、今日の資産デフレ対策にはならない。
現在の状況を、悲観的に受け止めるばかりでは、前進はない。 ある面では都市開発と都市再生プランにとって追い風だととらえることだ。
資産デフレの悪循環を断ち切り、都市再生の土地を取得していく、この二年のあいだに必ずやらねばならない仕事である。 二年経ってもまだ土地が値下がりしていたら、小測首相の「二年以内にプラスの成長を」という公約は実現されないことになり、日本経済は確実にタイタニック号的沈没となる。
二年を景気回復の目安と定めるかぎり、その間に一O年分の公共用地を思い切って買っておくという決断が重要なのである。 将来の都市開発の「種地」を買いながら、資産デフレスパイラルの悪循環を断ち切り、資金を金融市場に送り込むことによって金利上昇を食い止める。

円高を食い止め、円安に誘導していく(当面の円高は日本の景気回復には絶対にマイナスなのである)。 まさに、一石二鳥、三鳥の発想だといえよう。
東京の特徴は「平面的には過密、立体的には過疎」だといわれる。 つまり、横にはスプロール的な超過密状態だが、空中のスペースには余裕がある。
都市を立体的に再構築すれば、平面的にはオープンスペースをとっていく余地は十分にある。 そういう手法で日本の住宅の質的な改善を図っていくことが、都市住民のために欠かせない。
とくに、国際化を進めるうえで、外国人・国際ビジネスマンなどが快適に安心して住める東京にしていかなくてはならない。 「ウサギ小屋」からの脱却は不可欠であり、こうした方法によってはじめて可能になる。
長距離通勤の苦痛を緩和していくことも都市住民にとって急務だろう。 都心居住をもっと促進し、オフィスとマイホームの距離を短縮して、ビジネスと家庭生活を両立させることが肝心だ。
通勤に二時間もかかるようではどうしょうもない。

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